🌡 ドローン建物点検で使う赤外線カメラとは?

 

〜“見えない劣化”を可視化する次世代の診断技術〜

 

建物の屋根や外壁を点検する際、ひび割れや錆などの目に見える劣化だけではなく、内部に潜む劣化や雨漏りの原因を把握することが重要です。

 

そこで近年注目されているのが、ドローンに搭載して行う「赤外線カメラ点検」。

この技術を使うことで、人の目では見えない異常を“温度の違い”として検出できるようになりました。

 

本記事では、赤外線カメラで何が分かるのかを、詳しく解説します。

 

 

🔎 赤外線カメラの仕組み

 

赤外線カメラは、物体が放出する赤外線(熱エネルギー)を検出して、表面温度を画像化(サーモグラフィー化)する装置です。

 

・温度が高い部分→赤・黄などの暖色系

・温度が低い部分→青・紫などの寒色系

 

として表示され、

温度差から建物の異常を見つけることができます。

 

 

🏠赤外線カメラで分かること

 

1. 雨漏り・水分の滞留箇所

 

建物内部に雨水が侵入すると、その部分の温度変化や乾きにくさによって、他の部分と異なる温度パターンが現れます。

 

👉🏻屋根・外壁・サッシ周辺などで、

「見た目は問題無さそうでも内部に水が溜まっている」

というケースを発見可能です。

 

🔷特に効果的な建物

 

・金属屋根や陸屋根

・外壁タイル・モルタル仕上げ

・雨漏りの原因が特定しづらい古い建物

 

 

2.断熱材の劣化・施行不良

 

断熱材が劣化していたり、隙間があると、熱が外に逃げる(または侵入する)部分だけ温度が変化します。

 

👉🏻赤外線カメラで撮影すると、断熱不良部分が「部分的な温度ムラ」としてはっきり映ります。

 

🔷得られるメリット

 

・冷暖房効率の悪化を防ぐ

・エネルギーコスト削減につながる

・リフォームや断熱改修の効果を確認できる

 

 

3.外壁内部の浮き・剥離

 

タイルやモルタル外壁が浮いている場合は、下地との間に空気層ができるため熱伝導率が変化します。

 

👉🏻そのため、浮いている部分は他より温度が高く(または低く)映り、外壁剥離事故を未然に防ぐための調査に有効です。

 

🔷特に有効な場所

 

・高層マンションのタイル外壁

・コンクリート建物の打ち放し部

・劣化が進行している築20年以上の建物

 

 

4.屋根材や防水層の損傷

 

屋根表面の一部で温度が異常に高い(または低い)場合、防水層の劣化・接着不良・雨水侵入の可能性があります。

 

👉🏻ドローンで屋根全体を俯瞰し、熱分布マップを作ることで損傷箇所を特定できます。

 

 

🔷ドローン点検ならではの仕組み

 

・高所でも安全に撮影

・人が登れない傾斜屋根でも対応可能

・太陽光パネル下部などの狭い空間も確認できる

 

 

5.電気設備・太陽光パネルの異常発熱

 

赤外線カメラは建物だけではなく、

電気設備・配電盤・太陽光パネルなどの発熱異常も検出できます。

 

👉🏻接続不良やセル破損などを早期に見つけることがで、火災リスクを防止し、発電効率を維持することが可能です。

 

 

💬 赤外線点検の注意

 

・直射日光が強い時間帯は、表面温度が上昇して誤差が出やすい

 

・強風や雨天時はデータが乱れやすい

 

・温度差が少ない季節(夏・真冬)は異常が見えにくい

 

👉🏻そのため、春・秋の早朝や夕方の時間帯が最も適しています。

 

 

✨️まとめ:赤外線カメラが「見えないリスク」を可視化する

 

赤外線カメラは、目に見えない異常を「温度」という形で見せてくれる、建物の健康診断ツールです。

 

ドローンと組み合わせることで、

人が立ち入れない場所を非接触・高精度で点検できるようになり、建物の安全と長寿命化に大きく貢献します。