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🎓 赤外線建物診断技能士とは?
〜“温度で建物を診る”専門家〜
建物の外壁や屋根を点検する際、赤外線カメラを用いて劣化や異常を見つける技術が急速に普及しています。
しかし、赤外線画像は「ただ撮るだけ」では正しい診断ができません。
そこで重要なのが、「建物診断技能士」という専門資格です。
この資格を持つ人は、赤外線カメラで撮影したデータを正しく読み取り、
建物の劣化状態を科学的根拠に基づいて評価できるプロフェッショナルです。
🏠 資格の概要
📘 主催団体
一般社団法人 日本非破壊検査協会(JSNDI)
および関連団体によって運営されており、建物の非破壊検査(壊さずに内部を調べる技術)の一分野として位置づけられています。
🎯 資格の目的
赤外線カメラを使って、以下のような建物の異常を正確に検出・診断できる人材を育成することが目的です。
・雨漏りや漏水箇所の特定
・外壁タイルやモルタルの浮き・剥離の検出
・断熱欠損・熱橋(ヒートブリッジ)の特定
・防水層や屋根材の劣化判定
🔎 なぜ資格が必要なのか
赤外線カメラで撮影すると、表面温度の違いが赤・黄・青のように色で表示されます。
しかし、この色の違いを正しく解釈できなければ誤診につながるのです。
たとえば:
・日射の影響による温度ムラを「雨漏り」と誤解
・材質や風向きによる温度差を「断熱欠損」と誤判定
こうした誤りを防ぐためには、
建物構造・材料特性・気象条件・撮影環境を理解した上で分析できる知識が欠かせません。
赤外線建物診断技能士は、これらの要素を総合駅に判断し、科学的根拠に基づいた赤外線診断を行う専門家なのです。
📚 資格取得の流れ
1. 受講・講習
まず、公式講習会を受講します。
講習内容には以下のような実務的テーマが含まれます。
・赤外線理論(放射・反射・吸収の基礎)
・建物診断における熱画像解析のポイント
・撮影時の注意点(気象・角度・時間帯など)
・実際の事例を用いた判定練習
2.試験
講習の後、筆記試験+画像判定試験が行われます。
赤外線画像を見て「どこに、どんな異常があるか」を読み取る実践的な内容です。
3.資格認定
試験に合格すると、赤外線建物診断技能士として認定されます。資格には有効期限があり、定期的な更新(知識アップデート)が求められます。
🛠 活躍できる分野
赤外線建物診断技能士は、以下のような幅広い分野で活躍しています。
・建物メンテナンス:外壁剥離、屋根防水層の点検
・リフォーム・修繕:断熱改修・雨漏り修繕の根拠確認
・ドローン点検業:空撮赤外線データの解析
・不動産管理:建物状態調査(インスペクション)
・太陽光設備:パネルの発熱異常検知
特に近年は、ドローンで撮影した赤外線映像を専門的に解析する人材として需要が急増しています。
💡 ドローン点検との相性が抜群
赤外線建物診断技能士がドローンと組み合わせると、高精度で安全な点検が可能になります。
・高所でも人が登らずに点検できる
・広範囲を短時間で熱解析可能
・データを三次元で可視化・保存出来る
つまり、「ドローン操縦者×赤外線建物診断技能士」
という組み合わせは、次世代の建物診断の理想形なのです。
🌟 まとめ
赤外線カメラは単に撮るだけではなく、「正しく読む」ことが求められる技術です。
その“読み解く力”を証明するのが、赤外線建物診断技能士という資格。
ドローン技術と掛け合わせることで、これまで見えなかった建物の異常を、安全かつ正確に把握できる時代が来ています。
