岐阜県内歴史民俗資料館(築30年・鉄筋コンクリート造一部鉄骨屋根造・2階建・延床面積約1,600㎡)

建物点検実績 【実例47】 歴史民俗資料館

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1.点検概要🏗️  📍 点検目的  ・ 外壁・屋根防水層・庇金属部の劣化を把握し、文化財保護の観点から漏水リスクを低減するため  📍使用機材:4K カメラ搭載ドローン(DJI製 AIR3シリーズ〕 2.点検実施状況  📍 ドローンで外壁・屋根・庇部分を全周撮影(高度10〜30m)  📍 赤外線カメラで屋根及び外壁の温度分布を測定し、含水・浮き・密着不良箇所を検出  📍 撮影データを解析ソフトに取り込み、異常部位を可視化・報告書化  📍特別対策  ・ 館内展示に影響を与えないよう、開館前の午前6時から8時に飛行実施。  ・ 近隣が住宅地のため、飛行範囲を施設敷地内に限定し、安全高度を自動制御。  ・ 外壁材が明色仕上げで赤外線反射を受けやすいため、午前・午後2回に分けて測定し、温度差データを比較解析。 3.点検結果💡  📍 屋根防水層の含水反応を検出    赤外線画像で、屋根中央部及び排水ドレン周囲に低温領域(−4℃差)を確認。    防水層下の断熱材が吸水している兆候で、浸水による断熱性能の低下が進行中。    部分防水補修及びドレン周囲再施工を推奨。  📍 外壁タイル面の密着不良・浮きの進行    北面外壁において、温度ムラが広範囲(約20㎡)にわたり確認され、下地モルタルとの付着力低下が顕著。    可視画像では劣化が軽微に見えるが、内部の空隙形成が進行しており、剥落防止対策が必要。  📍 庇鋼板及び雨樋部の錆発生    南面の庇の端部において、塗膜剥離と錆を確認。    軽微な腐食段階のため、ケレン処理+防錆塗装での早期対応を推奨。 4.効果✨  ・ 文化財収蔵品への影響を与えず、建物全体を約90分で安全に点検完了。  ・ 赤外線カメラにより、外観では確認できない防水層下への含水やタイル浮きを可視化。  ・ 点検データを元に、劣化位置・範囲を数値化し、修繕優先度を明確化。  ・ 施設の長寿命化及び文化財保護計画に資するデータベース構築が可能に。