三重県内歴史資料館(築27年・木造一部鉄筋コンクリート造・2回建て・延床面積約1,450㎡)

建物点検実績 【実例48】 歴史資料館

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1.点検概要🏗️  📍 点検目的  ・ 屋根・外壁・庇の劣化状況を調査し、収蔵品保護のための漏水・結露リスクを評価する  📍使用機材:4K カメラ搭載ドローン(DJI製 AIR3シリーズ〕 2.点検実施状況  📍 ドローンにより屋根・外壁・庇を上空及び斜め角度から撮影(高度10〜25m)  📍 赤外線カメラで外壁及び屋根面の温度分布を測定し、含水・浮き・断熱欠損を解析  📍 撮影データを解析ソフトで比較処理し、異常領域を抽出・報告書化  📍特別対策  ・ 文化財保管エリア上空の飛行を避け、敷地外縁部からの斜め撮影で安全確保  ・ 周囲に史跡や樹木が多いため、飛行経路を事前3Dマッピングで設定  ・ 外壁材が白漆喰のため反射が強く、日射角度の異なる午前・午後2回にわたって測定し精度を向上 3.点検結果💡  📍 屋根瓦下の野地板に含水反応を検出    赤外線画像にて、屋根北側及び棟部付近に低温領域(−4℃差)を確認。    瓦の破損や漆喰劣化から雨水が侵入し、野地板内部で水分が滞留している可能性。    現時点では軽度だが、早期の瓦補修及び漆喰再施工を推奨。  📍 外壁漆喰面の内部剥離・浮き進行    南面外壁で広範囲(約15㎡)に温度ムラを確認。下地モルタルとの密着不良が進行しており、    今後の剥離・落下リスクがある。部分補修または塗り替えを要す。  📍 庇鋼板部の腐食及び雨樋接合部の劣化    庇鋼板の端部に錆緑青を確認し、接合部で熱異常を検出。    腐食進行により排水効率が低下しており、鋼板補修または交換を推奨。 4.効果✨  ・ 足場不要で、文化財を収蔵する建物全体を約80分で非接触点検。  ・ 赤外線カメラで、漆喰内部の浮きや屋根下地の含水を可視化。  ・ 文化財保護の観点から、早期修繕箇所を明確化し、漏水リスクを未然に防止。  ・ ドローン映像・温度データを保全アーカイブとして活用可能。